昨年、自分のカメラをCanon 9000Dというエントリーのモデルからプロ御用達のSonyのα7RⅡというミラーレス一眼に買い換えました。決め手は一つ、カメラの性能。試し撮りで比較してみた時の衝撃がハンパなく、ほとんど衝動買いのような感じで購入してしまいました。
そこで困ったのがレンズ問題。Sonyのカメラはもちろん本体も高価なのですが、レンズも高い。それに中古もほとんど売っていないのです…ちょくちょく購入するともう完全に破産寸前。そこで知ったのが「マウントコンバーター」という存在。
僕の持っていたCanonのレンズをSonyのカメラで使えるようにするアダプターでめちゃくちゃいいのがあるとのことでいざ、購入してまいりました。
Sigmaのマウントアダプター「MC-11」
こちらが購入したSIGMAのマウントコンバーターMC-11。Canon EFマウント(もしくはSIGMA SAマウント)のレンズをEマウントの本体で利用できるようにするデバイスとなっております。
こちらのマウントアダプターの何がいいって、対応しているレンズならオートフォーカスも可能だってところ。他社のマウントコンバーターはAFに対応していないものも多い中で、純正のレンズを使うくらいのスピードでフォーカスを合わせてくれる優れものらしい。
ちなみに僕が購入したのはCanon FEマウントをSony Eマウントに変換するものですが、SIGMAのSAマウントをEマウントに変換するバージョンもあるみたい。このへんは持っているレンズと相談ですね。
実際に利用する時にはレンズと本体の間にこのMC-11を挟み込むような形で利用します。
重さは125gと若干の重さはありますが、2~3万円程度の価格でCanonやSIGMAのレンズが普通に使えるという価値は価格以上のものがあると感じています。
非対応機種でも動作できる
MC-11には対応機種がちゃんと発表されています。2018年3月現在の対応機種は下記の通り。
35mm フルサイズ | APS-C |
---|---|
12-24mm F4 DG HSM(Art) | 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM(Contemporary) |
14-24mm F2.8 DG HSM(Art) | 18-35mm F1.8 DC HSM(Art) |
24-35mm F2 DG HSM(Art) | 18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM(Contemporary) |
24-70mm F2.8 DG OS HSM(Art) | 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM(Contemporary) |
24-105mm F4 DG OS HSM(Art) | 50-100mm F1.8 DC HSM (Art) |
100-400mm F5-6.3 DG OS HSM(Contemporary) | 30mm F1.4 DC HSM(Art) |
120-300mm F2.8 DG OS HSM(Sports) | 19mm F2.8 DN(Art) |
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM(Contemporary) | 30mm F2.8 DN(Art) |
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM(Sports) | 60mm F2.8 DN(Art) |
14mm F1.8 DG HSM(Art) | 16mm F1.4 DC DN(Contemporary) |
20mm F1.4 DG HSM(Art) | 30mm F1.4 DC DN(Contemporary) |
24mm F1.4 DG HSM(Art) | |
35mm F1.4 DG HSM(Art) | |
50mm F1.4 DG HSM(Art) | |
70mm F2.8 DG MACRO(Art) | |
85mm F1.4 DG HSM(Art) | |
105mm F1.4 DG HSM(Art) | |
135mm F1.8 DG HSM(Art) | |
500mm F4 DG OS HSM(Sports) |
基本的にはSIGMAの新ラインナップレンズのみの対応みたいですね。じゃあここにないのは使えないのか!というと、実はそんなことはありません。
現に僕はCanon 100mm F2.8Lという非対応レンズをMC-11を介してα7RⅡで使っていますが、オートフォーカスは十分早いですよ!若干迷うときもありますが、十分なスピードだと思います。
ただし、対応機種でないとオートフォーカスが遅くなってしまう場合もあるのでご注意を。例えば上のレンズをα6000で利用したときはかなりオートフォーカスが遅く感じました。というのも、非対応レンズだとコントラストAFがうまく動作しないようで、初代 α7やα6000 以前のボディだとかなり遅くなってしまいとのこと。
ちなみに試したレンズは、上でご紹介したEF100mm F2.8L IS USM
SIGMA 17-50mm F2.8の2種類の非対応レンズです。
どちらのレンズもα7RⅡでは素早いオートフォーカス性能を見せましたが、α6000では少し遅い印象です。
逆に、対応レンズを使った場合はファストハイブリッドAFに対応しているそうなので、より早いAFが可能になるとのこと!どんだけ便利になってしまうのだ…!
Canon用のレンズの選択肢が増えることによるメリット
MC-11は簡単に言うとCanonのレンズを使い勝手そのままにSonyの本体で使えるようにするためのものですが、たったそれだけのことがSonyユーザーにとってはインパクトがでかい。
Canonレンズが使えるとどこがいいの?というところをちょっとご紹介したい。
Canonユーザーは今までのレンズが使える
まず、Canonユーザーだった場合は今までレンズが利用できるというのがメリットのひとつ。
APS-Cレンズをα7RⅡで利用した時もちゃんと自動でSuper 35mmモードとなって撮影ができたのは驚きでした。もともとCanonのAPS-C機を使っていて、新しくSonyのフルサイズミラーレスを購入するという方もシームレスに本体の利用ができそうですね!
新しく買うのも良い
Canonユーザーじゃない人でも、単純にレンズの選択肢が増えるのは大きなメリット。
例えば同じ24-105のレンズを見比べてみるとしましょう。Sonyのほうはこちら。
執筆時現在でAmazon価格が16万円です。高い…対してCanonのほうは
執筆時のAmazon価格で12万円!もちろん画質の好き嫌いはあるかもしれませんが、同じようなスペックのレンズがかなり安く購入できますね!
Canonは同じレンズを何度もバージョンアップさせているので、前のバージョンだったらより低価格で購入できる可能性もあります。
中古市場も選択肢に入れられる
正直、レンズはある程度撮影できればいいと思っているのでちょくちょく中古でも購入してしまいます。ただ、Sonyのレンズってまだユーザーが多くないためか中古市場にあまり出回っていないのです…それがCanonレンズになるとわんさかと販売されています。
結果的に同じスペックのSony製レンズよりもだいぶ安い価格で購入することができる。これはめちゃくちゃメリットとして大きいですよ。ホントに。
作例をご紹介
ざっくりと撮ってみた作例を。まずはCanon 100mm F2.8Lから。
普通にCanon機で撮影するのと同じ感じで利用ができるのは本当にいいですね。若干白レベルの高い感じとか、画のつくりはしっかりとレンズの特性が出ています。
マクロレンズなのでしっかりと寄って撮影することもできます。AF範囲がとても広いので、マクロで利用するときのAFの迷いは感じますが、フォーカスリングでピント近くまで持っていけば問題なし。
続いてSIGMAの17-50mmのレンズ。こちらはAPS-Cレンズですが、本体はα7RⅡで撮影しています。
F2.8ですが、改めてちゃんとボケ感も出るいいレンズだなぁ…と感じました。夜でも全然ノイズは気にならない。
Canonで使っていた時よりもAFは早いような感じもします。若干AFが迷う時はありますが、ほぼ問題なし。一眼レフ用のレンズはMFへの切り替えスイッチがレンズ側に付いているので、するっとマニュアルフォーカスに移行できるのもいいと感じました。
レンズの選択肢が広がる
Sonyのミラーレスは、第一線で使われているカメラ本体で比べると歴史は浅い。故に、レンズの作りはいいものの、それ自体の流通量も少なく、比較的高価になってしまう。
ホイホイ購入できるくらいのお金があれば別ですが、大抵の人はそうでないはず。そんな僕らにとってかなり支えになるマウントコンバーター。 Sonyユーザーであれば一つ持っておくと大きく可能性を広げることができる、そんなデバイスだと感じます。
次の記事:Canonの最高のマクロレンズを見て欲しい
記事内で紹介しているCanon最高のマクロレンズの実写レビュー。これは見て欲しい…