日本三大うどんとはなにか、答えられるでしょうか。
「讃岐うどん」「稲庭うどん」の2つは思い浮かぶかもしれませんが、最後の一つが思い浮かばない。それもそのはず、なんと3つめに定説はないのだとか。その3つめとしてもっとも近いとされるのが長崎県の「五島うどん」と群馬県の「水沢うどん」らしい。
その水沢うどんが食べられるのが群馬県渋川市の水沢。ちょうど伊香保温泉辺りから10~15分で行けるとのこと。こんなに近くに来るなら食べないと勿体無いよね。
水沢うどんとは
まず、さらっと水沢うどんについて。
水沢うどんとは、水沢寺(水沢観音)付近で参拝客向けに提供されたのが始まりとされる手打ちうどんです。少し細めでしっかりとしたコシがあるのが特徴。
基本的にはざる形式での提供が一般的で、タレは胡麻ダレや醤油ダレなど、店によって違うのだとか。このへんのタレなどが店の決め手になって来そうですね。
水沢のうどん街へ
伊香保温泉からはバスで10分程度。もう少し細かくいうと不如帰(ほととぎす)駅近くのバスロータリーから7分程度で水沢につきます。
あたりはうどんのお店でいっぱい。この辺は水沢うどん街と呼ぶらしいです。
元祖と言われる「田丸屋」へ
徒歩10分県内に12店舗もうどん屋が立ち並ぶ水沢うどん街。どの店も評判が良く、悩ましい。
初めは知人からの推薦で「清水屋」に行く予定だったのですが、なんと寒いうどんしかないうえに、タレが麻のみとのこと。今回は二人で旅行に来ているのでどうせならシェアして違う味を食べたい。ということで暖かいうどんと、タレもバリエーションのある店をチョイスすることに。
僕らの要望に当てはまる店は数店舗あったのですが、今回はその中でも最も古くから営業していると言われる田丸屋で食事をいただくことにしました。なんと1582年から400年以上続いているのだとか。
ちなみに向かいにはお土産屋さんが
ちなみに向かいにはお土産屋さんがあります。今回は昼食がメインでしたので寄りませんでしたが、お土産用に水沢うどんを購入できます。
こちらは15:30で閉まってしまうので、行くならば昼食前の方がいいかもしれません。
情緒ある雰囲気に圧倒
早速店に入るのですが、見た目から圧倒されました。
ジブリで見たことありそうな雰囲気。店内も一つ一つの設備がしっかりと手入れされていることがわかります。何と言ってもこの暖かさ。寒さの中で凍えていた僕らにとってはまさに天国。床もとても暖かい。
早速メニュー決め。田丸屋はメニューが豊富で少し迷いましたが、当初の目的からブレずに二色うどんと暖かいうどんを注文しました。
コシのある水沢うどんに癒される
店内の温かみにうつろうつろしていると、料理が運ばれて来ました。
うんまそう・・・
まずは暖かいうどんから。これがもう最高ね。寒い中のうどんってなんであんなに幸せなんですか?
少しとろみのついたスープに汁気を吸い始めている麺、たっぷりとスープに浸された油揚げがコラボレーションして僕の口を埋め尽くします。
人参とごぼうの皮の天ぷら。サクサクしていて食べやすい。大根おろしを上に乗せて食べるのが最高なのです。
水沢うどんもいただこう。
しっかりとコシのある麺が醤油だれと絡む。ずるっと口いっぱいに頬張るのが美味しいんですよね。胡麻だれはとてもインパクトが強い。こんなに香り高い胡麻だれをいただけるのは滅多にないかも。”胡麻感”が非常に強いので好き嫌いは多少分かれそうですが、僕は大好きな味でした!
温かみを感じるお店
ラストオーダーは15:30。食後もこの暖かい店内故になかなか足が外に向かない。そんな僕たちにも店員さんは暖かいお茶を淹れてくれ、一言「ごゆっくりどうぞ」と声をかけてくれます。
なかなか東京のお店では味わえない優しさ。店内の雰囲気にもその温かみが伝わって、非常に幸せな気分になれました。
あれだけお店がある中で400年以上続くのも納得。また行きたいと思うのはその暖かさゆえでしょうか。