「写真は引き算だ」
良くこういうこういう言葉を耳にすることがあります。この言葉を始めて聞いた時、当時はカメラを手にしたばかりで、それがなんのことかなんてわからなかった。むしろそこから2年間もの間、ほとんどわかっていなかったと思います。
それが先日、ポートレート撮影に行った時にふと「あ、もしかしてこういうことかな」と思う瞬間がありました。その瞬間、撮影する時にみる視点が変わり、少し写真がすっきりとした気がします。
もちろん、僕も写真の全てをわかっているわけではないし、これを読めば絶対写真がうまくなる!というようなたいそうなものでもありませんが、意識したことや覚えたコツなどが少しでもお伝えできればと思います。
自然光でのポートレート撮影をしてきた
ポートレートには
- 自然光を使ったポートレート撮影
- ストロボなどを使ったポートレート撮影
の2つがあると思います。どちらが簡単で、どちらが難しいということはないと思うのですが、僕は自然光下でのポートレート撮影の方がやりやすい。というか、ストロボを使ったポートレートはまだまだ勉強が足りない。
ゆえに、今回お話しするのも自然光でのポートレート撮影。ただもちろん考え方などはストロボでの撮影も変わらないと思いますので、今後応用していきたいとは思っています。
ポートレート撮影の舞台は二子玉川
先日の撮影の舞台は二子玉川。桜の季節での撮影だったので千鳥ヶ淵などの桜の名所も考慮に入っていたのですが、あまりにも人が多そうだったので断念。
しかしながら、二子玉川は河川敷で自然を感じるような撮影もできるし、駅も発達しているので無機質な背景でも撮影ができる。ポートレートの撮影現場としてはとても融通がきく場所のように感じました。
河川敷まで出ると周りに建物がなく、自然光がキレイに入ってくるのもいいところ。
ポートレートを教えてもらうために、後輩のあらまこと(@armkt_0105)にもついてきてもらいました。
Lovegraphミート写真第一弾。天使の可愛さで埋めます。レタッチは明るめで暖かさをイメージ^ ^#Lovegraphミート #Lovegraph #coregraghy #天使 pic.twitter.com/zkTrHlyfbE
— あらまこと (@armkt_0105) 2018年4月22日
うまいよね。僕とはまた違ったレタッチではありますが、ふわっとしてウキウキするような写真ばかり。こういう写真の加工はどうしているのかなども聞きたかったので、とてもいい機会。
前ボケを入れて幻想的な感じを演出する
さっそく現場で撮影をしていきます。まずは一枚パシャりと撮影してもらいました。
手に持っているのはかすみ草。二子玉川の花屋さんで撮影用に入手してきました。
うん、悪くはない。悪くはないのですが、少しだけ味気ない気がします。背景もキレイな気がするのだけど、人ががっつりと入ってしまっていてごちゃごちゃしている気もします。これだったらいつもの撮影とあまり差がないような気がする。
ということで場所を変え、前ボケを入れて少し幻想的にしてみます。歩いていると大きな桜の木があったので、そこで一枚パシャリ。
なんとなく物足りなかった写真が、幻想的になった気がします。背景も桜などの花以外に余計な要素がなく、ばっちりと決まった好きな写真。
もちろん前ボケが必須ということはないですが、物足りなさを感じた時には前ボケを入れてみると雰囲気が変わるかもしれません。
背景から余計な物を引き算する
今回は背景の引き算というのも学びました。この写真をみてください。
一件キレイな写真。ですが、よくよく見てみると背景に工事中のマンションが写ってしまっていたり、人が映り込んでしまっていてなんとも言えない写真に。色味は好きなんですけどね!
ということで角度と被写体を変えて撮影したのがこちら。
綺麗に前ボケが入り、黄色の花がアクセントとなっていて幻想的な雰囲気の写真。この写真が今回撮影したポートレートでは一番のお気に入り。
一度被写体の位置やボケ感などの構成を考えたらそのあとに背景を考える。このクセがついたのが今回の一番の収穫。
加工はお好きなように。僕は少し青っぽい感じが好きなので、そのように加工しています。
その辺の加工についてはぽけっとすぱいすのポートレート撮影記事でもちょこっと書かれていますので、ご参考まで。
公園で森の中のようなポートレート撮影も
二子玉川の撮影とは別日ではありますが、都内の公園でポートレート撮影をしてきました。Lens blogのなかけんさんの撮影に付いていった形ではありますが、ついでにパシャパシャと撮影させていただきました。
撮影させていただいたモデルは橋本結花(@yuika_0073)さん。
撮影は午後4時半。少し日が落ち始めている時に、木の間から漏れる光に当たるように立ってもらい、撮影しました。
順光ではなく、半逆光のような位置で撮影したため、モデルの輪郭がはっきりとします。
カンカン照りの中で逆光で撮影してしまうと余りにも被写体が暗くなってしまうため、レフ板などを用意することもありますが、日が落ちる少し前くらいであれば光が弱まり初めているので、被写体が暗くなりすぎずにすみます。
こちらも陽の光で髪の毛の輪郭がくっきりとするように撮影しました。夕方の日は少しオレンジがかっていて映えますね。こちらも前ボケを少し入れて、全体がぼやけてしまうのを少し締めています。
この時のポートレート撮影ではモデルの方が赤い服を着てきてくれたので、森のような背景と見事にマッチしました。その幻想的なコントラストは崩したくなかったので、背景には絶対車などを入れないように意識しました。
これも背景の引き算。
なかけんさんが撮影されたもっといい写真はこちらにありますので、なかけんさんの写真も気になる方はこちらをどうぞ。
【100人ポートレート】vol.12 ライターの橋本結花さん再登場 〜森の中での夕日ポトレ〜 | Lens
写真ではなく、作品を作り出す
最近ポートレートを始めて”写真を撮っているのではなく、作品を作っている“という感覚が大事だなと感じることが多々あります。
ただ写真を撮るだけなら綺麗に撮影できればいい。前ボケはいらないし、背景だってなんでもいいと思います。でもそれだと、”ちょっと綺麗な写真“以外にはなり得ない。
少しでも「この写真が印象的だ」と思ってもらえるように、綺麗なものは入れるし、邪魔なものは徹底的に排除する。そうやって洗練して作ったものはただの写真ではなく、作品となります。
僕も毎回毎回そんな意識をして撮影ができているわけではありませんが、そういう感覚を常に持つ訓練はしたいと思う。できるだけ感動させる写真を撮りたいし、納得のいく写真が撮影できた時は撮影がまた一つ楽しくなる。
ポートレートモデル募集しています
今回、このようにポートレート撮影をする機会をいろいろいただいているのですが、そろそろ自分のほうでもポートレートのモデルを募集しようと思っております。
もちろんみなさま全員のご希望に添えるわけではないですし、予定が合わないこともあるかと思うのですが、撮られてもいいという方はTwitterかお問い合わせページからどうぞ!
あ、もちろん男性も募集中です。