先日、SONYからついに135mm F1.8のレンズが発表されました。正式名称は「FE 135mm F1.8 GM」(SEL135F18GM)。
発売を4月19日に控え、3月頭から正式に予約が開始となるこのレンズですが、一足先に「CP+2019」にて展示されていたものを触ってきました。
実際に触った感想や、持っているSIGMA 135mm F1.8との比較なども含めてご紹介したいと思います。
↓動画でも紹介していますので、ぜひみていってください!
SONY純正 FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM)
こちらが今回展示されていた新レンズ FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM)。
以前にSONYで使える135mmレンズの比較記事を書いたのですが、当時選択肢となるのが、実質SIGMAのものしかなかったのでそれを現在使っています。
そんな中で現れた今回のレンズ。”GM”の名を冠して、満を辞して登場した純正135mmレンズ。
SIGMAレンズとは後ほど詳しく比較しますが、とりあえずSIGMAレンズよりも軽いというだけ出魅力的なレンズです。GMなのでもちろん特性なども良さそう。
FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM)の主なスペックはこんな感じ。
名称 | FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM) |
---|---|
レンズマウント | ソニーEマウント |
焦点距離(mm) | 135mm |
開放F値 | 1.8 |
最大F値 | 22 |
手ブレ補正 | × |
瞳AF | 利用可能(しかも速い) |
レンズ構成 | 10群13枚 |
絞り羽根枚数 | 11枚 |
最短焦点距離 | 0.7 m |
防塵・防滴 | ○ |
最大径x長さ | 89.5×127 mm |
重量 | 950 g |
フィルター径 | 82 mm |
主な特徴
SONYから出た新しいレンズということで、SONYも力の入れようがすごい。様々な特徴を持った今回のFE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM)ですが、僕が気になったものをピックアップしつつご紹介します。
公式の細かい特徴をもう少しまとめてみました。
- 超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ、スーパーED(特殊低分散)ガラスなどを最適に配置し、開放F1.8から画面全域で高解像を実現。軸上色収差を良好に補正しシャープな描写に、輪線ぼけも抑制しつつボケ感も美しく。
- フローティングフォーカス機構によって高解像性能は維持しつつ最短撮影距離0.7m、最大撮影倍率0.25倍と近接撮影が可能に。(つまり寄れるようになりました。)
- ソニー独自のナノARコーティングにより、フレアやゴーストが抑制。高コントラストの写真が撮影可能に。
- 11枚羽根の円形絞りを採用したことで、開放から少し絞っても円形のぼけ描写を保持できます。
- ソニー独自のXD(extreme dynamic)リニアモーターを4基搭載し、大口径レンズでも素早く静かなフォーカスが可能に。
- 光学まわりとメインシャーシにマグネシウム合金を使うことで、軽量ながら堅牢性も両立。重さは1kgを切る950gに。
- フォーカスレンジリミッター・絞りリング・クリック切り換えスイッチ・カスタマイズ可能なフォーカスホールドボタン ×2によって高い操作性を維持。
- 防塵・防滴に配慮し、レンズ最前面にフッ素コーティングを施すなど、屋外の過酷な環境下での撮影にも使用可能。
難しい話ばかりですが、とりあえず性能をバンバンに詰め込んだ感じですね。
描写性能・AF性能には妥協はなく、それでいて軽さ・ボタンにも配慮して操作性も高めたレンズという感じ。特徴だけでレンズの全てを語れるわけではありませんが、それでも見る限りすごいレンズだという事はひしひしと伝わってきます。
MTF曲線からわかる描写性能
参考までにMTF曲線も。画面中心からの距離が離れる(センサーの端のほうへいく)につれてどうしても低下してしまうコントラストですが、SONY 135mm F1.8 GMは開放から全然下がってないですね。
パッと見るだけではコントラストがどうとかわからないレベルなのではと思います。
SIGMA 135mm F1.8とはどう違うか
さてさて、SIGMAの135mm F1.8とはどこが違うのかという話ですが、まずはスペック表を。
名称 | FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM) | SIGMA 135mm F1.8 |
---|---|---|
レンズマウント | ソニーEマウント | |
焦点距離(mm) | 135mm | |
開放F値 | 1.8 | |
最大F値 | 22 | 16 |
手ブレ補正 | × | |
瞳AF | 利用可能(しかも速い) | 利用可能 |
レンズ構成 | 10群13枚 | |
絞り羽根枚数 | 11枚 | 9枚 |
最短焦点距離 | 0.7 m | 0.875 m |
防塵・防滴 | ○ | × |
最大径x長さ | 89.5×127 mm | 91.4×140.9 mm |
重量 | 950 g | 1,230 g |
フィルター径 | 82 mm |
表で見る限り違うのは
- 重さ
- 大きさ
- 防塵・防滴性能
- 最短焦点距離
の4つくらいでしょうか。
やはり惹かれるのはその重さと大きさの違い。SIGMAのレンズが1230gなのに対してSONYのレンズは950gと、300g近くも軽い状況です。ここまで違うと撮影するときの取り回しやすさも格段に変わるでしょうね…!
防塵・防滴性能も地味に嬉しい。SIGMAのレンズはちょびっと落としたら壊れそう(というか一回壊しています)が、SIGMAのレンズは防塵・防滴なぶん耐久性も上がっているのではと期待しています。
実際に持ってみた感じも、安心感は幾分かSONYのものの方が上でした。
SONY 135mm F1.8 GMを使って撮影してみた感想
CP+2019にて、実際にSONY 135mm F1.8 GMを使って撮影してみました。その時の作例や感想を少しだけ。
撮影してみて感じたのが、AFの速度。SIGMAレンズの1.2倍…いや1.5倍くらいの体感速度でAFが合焦します。AFも静かで、瞳AFも素早い。このスピード感やストレスのなさは純正レンズならではという感じですね。
SIGMAの135mmでは暗いところでのAFスピードが気になっていたので、この辺が改善されていれば嬉しいなぁ…
画質についてはもっと撮影してみないとわかりませんが、開放でのボケ感はSIGMAより上に感じました。両レンズともに開放ではボケがレモン型になりやすいという難点はあるものの、SIGMAではちょっと気になっていた輪線ボケが改善されているのがわかります。
レンズ自体も筒が短いぶん、コンパクトに感じました。フロントヘビーになりすぎず、単に軽量化されただけではない”撮影のしやすさ”を感じます。
特性などで見る限りでも、使った感じでもSIGMAレンズよりは一つ頭が出ている印象。これは欲しくなりますね…!
価格だけが気になる
唯一気になるのが価格。
希望小売価格は23.5万円(税別)と、さすがGMという強気な値段設定です。135mmレンズとしては想像よりも安いくらいかもしれませんが、気軽に手が出せる金額ではないですね…
たしかにSIGMAのレンズよりも軽く、性能も良くなっているというのは惹かれるポイントではありますが、SIGMA自体も非常に良いレンズではあるのでその差に10万円…というと難しいようにも感じますね。
非常に優秀な135mmレンズ
比較してみるスペックも使った感じも、今回のGMレンズの方が上。
GMレンズというとスペックは良いけど重いみたいなものが多かったのですが、今回のレンズは焦点距離にしては軽め。それでいてスペックはもちろん最高クラスというめちゃくちゃいいレンズでした。
非常に優秀。非常に魅力的。
お財布が厳しいところですが、この優秀さに惹かれるばかり。これからポートレート撮影をガンガンしていくと振り切って、買うのもありかもと感じてしまいます。
けーすけ(@saradaregend)から一言。
135mm じゃないと撮影できないとろみがある。それをSONY純正で再現できるのは、恐ろしい。
↓動画でも紹介していますので、ぜひみていってください!