ここ数年で人気が出てきたソニーのフルサイズミラーレス。僕も最新のミラーレス一眼SONY α7IIIを使っています。オートフォーカスも画質も、どの性能を見ても満足のカメラ。
ただ、その分高い。特にレンズ。
フルサイズのレンズというと安くても5万円くらいが相場で、しっかりとしたものだと10万円を超えるモノもざらにあります。そんな高価なものをバンバン買うお金はなかなかないですよね…
ということで今回は、僕が厳選したおすすめのフルサイズ対応 ソニー用Eマウントレンズを紹介したいと思います。全てのレンズを試して、かなりおすすめのポイントが絞れてきたので、あなたにぴったりのレンズが見つかるはず。
Eマウントのレンズにはフルサイズ用とAPS-C用がある
この記事を見てくれている方なら知っていることかと思いますが、ソニーのEマウント(ミラーレス)のレンズはAPS-C用とフルサイズ用の2種類のレンズがあります。
この2つの違いはセンサーサイズ。基本的に、APS-Cセンサー(小さいセンサー)のカメラにフルサイズレンズは利用できますが、フルサイズ機にはAPS-Cセンサー用のレンズは利用できないようになっています。(ただしSony機種ではSuper 35mmモードがあるので、画質は多少落ちますが利用自体はできます。)
基本的にレンズはガラスの中心部よりも周辺のほうが画質が落ちる傾向にあるので、APS-C機を持っている方でもフルサイズレンズを使うほうがAPS-Cレンズを使うよりも良い画質で撮影ができます。中心部でクロップすることになりますからね。
フルサイズ用とAPS-C用のレンズの見分け方
フルサイズ用もAPS-C用もどちらもEマウントレンズという呼び方をしますが、一応レンズの名称が微妙に違う。
- フルサイズ用→FE 〇〇〜(フルサイズEマウントの意味)
- APS-C用→E 〇〇〜(Eマウントの意味)
こういう呼び方なので、自分の購入しようと思っているレンズを見た時、どちらかわからなくなったら名称を確認してくださいね。ちなみにどうしても心配ならSonyの公式サイトでもチェックできますので、ためしに型番で調べてみましょう!
さて、ここからはフルサイズのEマウントレンズのおすすめについて紹介していきますね。
フルサイズEマウント用 おすすめズームレンズ
まずはSONY フルサイズ用Eマウント(FEマウント)のおすすめズームレンズから。これ一本あればとりあえずほとんどの場面で撮影ができるというレンズを2本、厳選しています。
Sonyの完成形大三元レンズ Tamron 28-75mm F2.8
まずはズームレンズ。
SONYのミラーレス一眼の本体は他のフルサイズ機と比較すると軽いと言われます。それ自体は間違いなく、たしかにボディはAPS-C機ほどの重さとなっていると思います。しかし、フルサイズ機はレンズが重い。
僕自身、週末は旅行に出かけることが多く、単焦点一本だと「もう少し広く撮りたい!」と感じるときも多いため複数のレンズを持っていく羽目になります。ですが、レンズを付け替えている暇なんてないし、何より荷物が増えるのがとことん厄介。
つまり、レンズ一本化して身軽に旅行に行きたいのです。
そこで候補に挙がったのがこのTamronのレンズ。SonyのフルサイズEマウントに対応広域をカバーしつつも550gという軽さを実現しており、さらにはF2.8通し。今の僕の要望に限りなく近く、買ってしまいました。毎日これで過ごすくらいおすすめのレンズ。
ボケ感も十分で被写体にもよって撮影できるので、物撮り・ポートレート・スナップどれでもいけるレンズです。
以下、TAMRON 28-75mmで撮影した作例を少しだけ。
確かに純正のGMズームレンズ(24-70mm F2.8)と比較するとオートフォーカスが若干遅かったり、解放でのボケ感がレモン型になってしまったりという難点はあります。
ただ、それを差し引いてもこの軽さ。そして撮影のしやすさは目を見張るものがある。画質も素晴らしいのでまずはこれから手に入れる方も多いはず。
一つ難点を言うなら、在庫が薄いこと。このスペックで価格も10万円を切る価格ゆえ、人気すぎてまだまだ品薄状態が続いています。
初めてα7シリーズを使うという方にはおすすめしたいレンズの一つであることは間違いないです。
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超広角でキリッと写す。SONY 16-35mm F4(SEL1635Z)
SONY純正のレンズでは超広角の単焦点レンズがありません。せいぜい28mmにコンバーターをつけるのみ。それでも21mmなので超広角のレンズはまったくといって良いほどないのです。フルサイズなのにそれを生かしきれない気がする。
じゃあどうすれば良いの?というユーザーのために作られているのが広角のズームレンズ。Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSなのであります!
たとえば動画で自撮りをするとき、建物を広く写し取るとき、パースを意識した構図で写真を撮影するとき。
そんな広角レンズが必要な場面を、ツァイスのキリッとした描写で表現することができます。
ツァイスレンズならではのコントラストの高い描写は僕も含めて多くのSONYユーザーを虜にしています。
以下、SONY 16-35mm F4(SEL1635z)で撮影した作例を少し。
大自然をこれでもかと広く撮影した時の迫力はすごいですね…言葉では表現仕切れない。
F値が4通しとなっているので、星空なんかも撮影できるのが良いところ。ズームレンズなので画角も自分で決められます。
こちらのレンズもGMブランドで同じ画角のF2.8通しのレンズが出ていますが、価格が20万を超えてきてしまう。対してこのツァイスのレンズはF4通しではあるものの、約半額で重量も150g程度軽い518g。
広角であればF4でも手振れを気にせずに十分使えると思いますので、個人的にはこちらのツァイスレンズのほうがおすすめです。
あわよくば40mmくらいまであると物撮りにも使えるので嬉しい…みたいなわがままがありますが、かなり近くまで寄って撮影できるので良しとしましょう。
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フルサイズEマウント用 おすすめ単焦点レンズ
続いて、SONY フルサイズ用Eマウント(FEマウント)のおすすめ単焦点レンズ。ズームレンズにはないキレ味が特徴的なレンズを3本ご紹介します。
とりあえずSONY用単焦点はこれ。SONY 55mm F1.8 Zeiss(SEL55F18Z)
もし、SONYのフルサイズカメラを購入していて、はじめて単焦点レンズを購入するということであれば間違いなく初めにこいつをおすすめします。
- 55mmという、目で見たものと同じサイズで切り取る焦点距離
- Zeissレンズなのに10万以下という価格
- F1.8という明るさと描写力
以上3点がこのSEL55F18Zの強み。50mmであればもっと安いSEL50F18というレンズもあるのですが、そちらは圧倒的にAFが遅い。ジージーと音がなるので動画などに使いづらいのですが、この55mmはAFも早く静か。
描写力も圧倒的なのが魅力。
以下SONY 55m F1.8(SEL55F18Z)の作例を少し。
難点をあげるなら、被写体に寄れないことが難点かも。
小さい物とか食事とかは撮影しても若干迫力が物足りなくなってしまいます。後からトリミングして調整するしかない。
その点を差し引いても55mmという絶妙な画角と開放F1.8という明るさは最高に使いやすい。スナップだけでなくポートレートも良い、まさに神レンズです。
ツァイスレンズでこの写りで8万円台という価格も、正直安すぎると感じてしまいます。本当におすすめ。
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リーズナブルな隠れGレンズ SONY 85mm F1.8(SEL85F18)
最近ポートレートにはまっています。先日も自然光の下で撮影したポートレートについてを記事にしました。
物撮りや風景などとは違って”被写体の一番いい表情をいかにして出すか“写真の一番のミソとなる。そこに、撮影する場所や時間・その人のコンディションなど、さまざまな要素がすべて重なって一枚の作品となるという点に、とても面白みを感じます。
そんなポートレートの撮影をするときに必ずと言っていいほど候補に挙がるのが中望遠のレンズ。特に85mmのレンズです。
僕はCanonの100mm F2.8Lというマクロレンズをもっており、それをSIGMAのマウントコンバーターMC-11をかまして利用しているのですが、もう少しの明るさ・ボケ感が欲しいとなってきたときに85mmは欲しくなってしまいます。
ということで候補に上がってきたのがこの純正のSONY 85mmF1.8(SEL85F18)。
SONYレンズにはGレンズ、Gマスターレンズというランク付けがあるのですが、このレンズは通常のレンズながら”隠れGレンズ”といわれるくらい評価が高いレンズです。
以下、SONY 85mmF1.8(SEL85F18)で撮影した作例を少し。
撮影していると、やっぱりスナップやポートレートに最適なレンズなんだなぁと改めて感じていまいます。
開放で撮影するとたまにボケがうるさくなるのが少しきになる時もありますが、371gという軽さと5万円台の価格、そして何よりこの写りの良さに魅了されて手放せないレンズとなっています。
こちらも上位互換のレンズとしてSEL85F14GMという高級レンズがあります。
一段明るくなるし、画質もとても良いとは思うのですが、値段が約4倍で重さも2.5倍程度あるのでその辺がなんとも言えないんですよね。
動作もたまに不自然になるというレビューを見たことがあるので、個人的にはこちらの85mm F1.8の方がおすすめです。そもそもそこまでの違いを見いだせるかどうかも問題ですし。
何なんでもこなせるレンズなわけではないですが、このボケ感を得たら他のレンズが物足りなくなること間違いないです。
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最高のボケ味を味わう。SIGMA 135mm F1.8
85mmも良いのですが、人とは少し違う描写が欲しいときに使えるレンズが135mmのレンズ。本格的な撮影の時は絶対にこのレンズを使うようにしています。
圧倒的に違うのがそのボケみ。全身をしっかりと入れても背景がぼけて印象的な描写になってくれます。
そこに加わるSIGMAレンズ独特のキレ。最初からシャープネスを編集で上げたんじゃないかと錯覚する描写がそこにはあります。
作例も少しご紹介します。
印象的ですよね…
難点としてはやはりその重さ。レンズだけで1kgを超えてしまうので、普段使うにしては若干重すぎるのは気になるところ。だからこそここぞというときにはしっかりと持っていきたいんですけどね!
ちなみにSONYから純正の135mmレンズが出ますが、そっちはさらに倍くらいの値段します。少し軽くなったり画質も良い感じだとは思うのですが、SIGMAでも十分満足できるのでこちらのほうがおすすめです。
星撮るなら間違いない。SAMYANG 14mm F2.8
最後は広角レンズ。それも超広角レンズ。先ほどSONY純正には単焦点の広角レンズがないという話をしたのですが、代わりにSAMYANGからめちゃくちゃいいのが出ています。
昔は50mmくらいの標準域ばかりを使っていて広角レンズなんて必要ない!と思っていたのですが、最近広角もいいなぁと思うときが多くなってきました。
とりあえずこのレンズで星を撮ってみた作例を。
14mmという広角ゆえに、周辺が少しながれている感じはあるのですが、まぁそれもご愛嬌。ここまで広角ならその辺は目を瞑ろうというところです。
なにより、14mmという超広角の焦点距離でF2.8まで明るくできるレンズはそうそうない。中心部のカリカリ感もおそれいった…という感じのレンズです。
僕のこの写真はマニュアルフォーカス専用のレンズを使っているのですが、SONY用としては最近オートフォーカス用として一本化されたようです。
コンパクトでこちらのレンズは良いのですが、価格は8万円前後。対してマニュアルフォーカスのレンズは半額くらいなので、だったらマニュアルフォーカスでもいいんじゃないかなぁと思っています。
その場合はSIGMAのMC-11などを使ってCanon EFマウント用のマニュアルフォーカスレンズを使うのがいいかもしれません。少しレンズが伸びてしまいますが、ここまでの広角が手に入るなら…と思うところです。
フルサイズEマウント(FEマウント)のレンズはいいものが多い
フルサイズ対応のレンズ、それもSONYのレンズは少し高価ではあります。Canonのレンズだったら中古だってあるし、もっとレンズの種類も豊富かもしれません。
しかしながら、SONYのレンズはどれも妥協がない。どのレンズも本当にいい写りなのです。特にツァイスレンズね。
ツァイスレンズを始めて使ったらマジでびっくりですよ。あんなにキリッと写るんだっていうね。CanonやNikonとはまた違う描写。ぜひレンズ沼へ足を突っ込んでみてください!
APS-C用のレンズもいいのあるよ。
Sonyのカメラのいいところはフルサイズ機でもAPS-Cレンズをケラレなしで利用できるところ。Super35mmモードという機能で自動クロップしてくれるので、多少画質は落ちるものの、十分利用ができます。
1~2本フルサイズのレンズを購入して、APS-Cレンズで足りない画角をカバーするというのも賢い選択。APS-C専用レンズのおすすめももちろんまとめていますので、ぜひこちらも見てみてください。