毎回「もうこのカメラ以上のスペックはいらないだろう」みたいなことを思ってカメラを買っている。なのに、次のモデルが出ると欲しくなるのはなぜなんでしょうね。
「そこがアップデートされるの!?」と、全く予想していなかった便利機能がアップデートされ、なぜかその機能があたかも必要不可欠かのように感じて、どうしても魅力的に見える。
中でもSonyのカメラというのは毎回毎回魅力的な機能を実装してくるので、ついつい気になってしまう。現在発売されているSonyのミラーレス一眼α7IIIやα7RIIIもそんな多彩な機能が実装されています。
そして記事執筆時現在、僕はその新しいカメラが欲しいと感じてしまっています。
α7RⅡを持っているのになぜα7III・α7RIIIが必要なのか
そもそもなんで今回α7R III(ILCE-7RM3)やα7 III(ILCE-7M3)買おうと思ったのかということについて。
以前のレビュー記事でも書いた通り、α7RIIは完璧と言っていいカメラだと思います。現に今もそう思っている。
4,240万画素という高画素を持ちつつ、手振れ補正機能もついてダイナミックレンジも相当広い。フルサイズ機としては軽いし、正直満足度としてはほとんど100%に近いと感じていました。
でもそれはスチル撮影での話。このブログの読者はご存知かと思いますが、じつは僕、昨年よりYouTube動画の配信を始めております。
少し前の記事でもご紹介した通り、YouTubeを始めたきっかけは、山下歩さんというマルチクリエイターの方の動画をみて「こんな動画を作りたい!」という想いが出てきてしまったこと。この方はスローモーションを多用してエモーショナルな映像を作り出すことに長けているのですが、
上の記事でもまとめて書いた通り、α7RIIだとフルHD60Pまでしか対応していないんですよね。つまり、スローモーションを多用したダイナミックな演出はα7RIIではできないということになります。
ここまで書いたらお分かりの通り、これができるようになったのがα7III・α7RIIIの2機種。α7SIIやα9を省いた理由については長くなるので割愛しますが、とりあえず動画機能もスチルの機能も十分以上あり、使いやすいこの2機種が欲しくなった。必要になりました。
以下、とりあえずスペックは比較しておきます。
α9 | α7RIII | α7III | |
---|---|---|---|
カメラ有効画素数 | 約2420万画素 | 約4240万画素 | 約2420万画素 |
手ブレ補正の機能 | 5.0段 | 5.5段 | 5.0段 |
像面位相差AF測距点 | 693点 | 399点 | 693点 |
コントラストAF測距点 | 25点 | 425点 | 425点 |
ISO感度 | 100-51200 | 100-32000 | 100-51200 |
連写(メカシャッター) | 最高約5コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
連写(電子シャッター) | 最高約20コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
動画の最大撮影可能画質 | 4K30p,Full HD 120p | ||
ローパスフィルターの有無 | ローパスフィルター有 | ローパスフィルターレス | ローパスフィルター有 |
背面液晶の画素数 | 144万画素 | 144万画素 | 92万画素 |
EVFの画質 | 368万画素(120fps対応) | 368万画素(120fps対応) | 236万画素 |
レリーズ耐久 | 約50万回 | 約50万回 | 約20万回 |
撮影可能枚数目安(背面液晶) | 約650枚 | 約650枚 | 約710枚 |
質量(電池込み) | 約673g | 約657g | 約650g |
ここから細かい部分をちょっと語らせてください。
α7RIIIとα7IIIの違いを、まずひとつあげるとすれば画素数
細かい話を抜きにして「α7RIIIとα7IIIの違いはなに?」と聞かれたら間違いなく画素数だと答えると思います。
細かいスペックはどちらも普段使うぶんには必要十分で微妙なチューニングがされているのみという印象です。(価格差は10万程度ありますけどね。)
そもそも僕の持っているSonyミラーレス一眼はα7RIIIと同じ高画素機のα7RII。もしα7IIIを買ったなら画素数が半分程度に減ってしまいます。
普段から高画素なんて必要な場面があるわけではないのですが、それでも“画素が減る”というのはスペックを下げているようでソワソワしそう。その点を我慢できるくらい、α7IIIが勝っているのかどうかが気になり、細かい部分については実店舗で確認してきちゃいました。
背面ディスプレイはα7RIIIの勝ち
背面ディスプレイのきれいさはα7RIIIが上回っています。
α7RIII | α7III | |
---|---|---|
背面ディスプレイの画質 | 144万画素 | 92万画素 |
EVFの画質 | 368万画素(120fps対応) | 236万画素 |
いざPCで確認したものが素晴らしくても、背面ディスプレイが汚いと撮影中にちゃんと写真が確認できないし、何よりテンションが上がらない。
「うわっ、今日めっちゃいい写真撮れるじゃん!」
という思い込みが単に背面ディスプレイで見た時にこみ上げただけであっても、その微妙なテンションの差で撮れる写真が決まる場合もある。それでいうとα7RIIIのほうが優秀なのは間違いない。明らかに精細な背面ディスプレイ。
ですが、まぁ正直α7IIIでも我慢できるレベルには精細。実際使ってみたところ、今まで使ってきたα7RIIとはそこまで変わらない気がしたので、ここは許容範囲かなと感じました。
4K動画撮影はα7IIIのほうが優秀
そもそも高画素機は4K動画撮影において難を抱えているのを知っているでしょうか?
α7RIIもα7RIIIも4K撮影時には35mmフルサイズ利用の際に、全画素読み出しに対応していないのです。つまり、4K動画を撮影するときにちょっとだけ画質が落ちてしまっているということ。
Super35mmモードにすれば全画素読み出しとなるのですが、高感度性能が少し落ちてノイズが入りやすくなってしまう。
その点、α7IIIではフルサイズ利用時でも全画素読み出しに対応しています。つまり、4K動画を撮影する上ではα7IIIのほうが分があると考えて差し支えない。
動画撮影のために今回の機種を迷っている僕にとっては結構重要なポイントです。
高感度性能も一段分α7IIIのほうが優秀
高感度性能はα7IIIの方が一段ぶん優秀。
α7RIII | α7III | |
---|---|---|
ISO感度 | 100-32000 | 100-51200 |
単純に全く同じセンサー(光を受け取る部分)を用いた場合、画素数の低い方が1画素あたりの集光面積が広がって高感度に強くなります。
α7RIIIもα7IIIも新世代の画像処理エンジンBIONZ X(ビオンズ エックス)を搭載したとにかくすごいセンサーなのですが、同じセンサーを使っている分、画素数の低いα7IIIの方が分があります。
暗いところでもノイズを気にせず撮影できるのは、旅行先でよく使う僕にとってはかなり嬉しい。動画撮影の際も低ノイズで撮影できるので!
AFの食いつきがα7IIIのほうが良い
AFに関しては、実はα7IIIの方が優秀だったりする
α7RIII | α7III | |
---|---|---|
像面位相差AF測距点 | 399点 | 693点 |
コントラストAF測距点 | 425点 | 425点 |
まぁ正直ここまでAF測距点が多いと、ほとんど使い勝手も変わらないんだろうと言う感じではあるのですが、実際に使ってみるとこれが微妙に違う。
とくに僕が持っている
の3種類では明らかにAFのスピードに差が出ました。特に、MC-11&100mmマクロの組み合わせをα7RIIIで利用した場合は数回に一回程度ピントが合わないような挙動を見せていたのですが、α7IIの場合はSony純正レンズと変わらないスピードでAFがしっかりと合ってくれました。
ちなみにこのAFの問題についてはα7II・α7RIIでも全く同じことを感じました。MC-11とα7R系はあまり相性がよくないのかな〜とか思っています。
高画素に未練はあるが、今後の活動にはα7IIIが最適解
ということで、実はこの記事を書きながら決心して、α7IIIを購入してしまいました。
気にしていた背面ディスプレイや画素数問題については、正直ほとんど気になっていません。むしろ画素が減った分、Lightroomでの動作がちょびっと軽くなったかなと感じているくらい。
まだまだ使い始めて少ししか時間が経っていないのですが、いまのところ全く不満はなく、むしろその性能の高さに驚くばかりです。
α7RIIIもα7IIIもはかなり十分すぎるスペックのカメラ。あとは自分が何を求めているかという部分を照らし合わせてみると、自ずと必要なカメラが見えてくるんじゃないかと思いました。
前モデルα7RIIとα7IIIの比較も
僕が前に持っていたのはα7RII。新しく買ったα7IIIとの比較も前の記事でしていますので、ぜひ見ていってください!