重たい。そしてデカい。
今まで持ったことのないこの重厚感。持っただけで「ついにここまで来たか…」と身震いするレンズ、SIGMA 135mm F1.8 DG HSMをついに買ってしまいました。
そんな重いレンズを何で買ったんだ、と数ヶ月前の僕が文句を言ってそうですが、一度店頭で試してしまったのが運の尽き。この解像感を体験したら、もう頭から離れませんでした。
とろけるようなボケ感、ヒリつくような解像感。この解像のコントラストが、撮れる写真にストーリーを吹き込んでくれます。写真の腕が数段上がったような感覚に陥るこのレンズへの愛を、語りたいと思います。
SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art
今回買ったのがこちらのSIGMA 135mm F1.8 DG HSM。
少し前まではCanonやNikon用のみの発売となっており、SONYのα7シリーズで利用するためにはSIGMAのマウントコンバーター MC-11を介してCanon用を使うしかありませんでした。
それが2018年7月、新たにSONY Eマウント用として同レンズが発売されました。僕が購入したのはこのEマウント用のほう。
購入のきっかけはポートレート撮影にハマりはじめてしまったこと。85mmレンズを使っていたのですがもっとボケ感が欲しくなり、135mmレンズが気になってきてしまいました。(欲しいレンズを記事でリストアップしてました)
最後までSONYのSAL135F18zと悩んだのですが、SONY純正のマウントコンバーターをかますことでオートフォーカスが相当遅くなるとの情報を店員さんから教えていただきました。
マニュアルフォーカスのレンズでもいいのですが、どうせ高い買い物をするんだったらSONYミラーレスの性能を余すことなく使えるレンズを…と考え、最終的に残ったのがこのSIGMAのレンズ。開放F1.8で135mmという、聞いただけでわかる圧倒的なボケ感が頼もしいレンズです。
重厚感たっぷり。SIGMA 135mm F1.8 DG HSM外観・スペック
さっそく持っているSONY α7IIIに装着してみます。
レンズが大きく、α7IIIにつけてみるとどっちが本体かわからないレベル。マウント部が折れるのでは…と少し心配していたのですが、さらに大きいSIGMA 105mm F1.4というレンズも発売されているくらいなので、まぁ大丈夫でしょう。
α7III,α7RIII,α9は従来のモデルよりもマウント部がしっかりとしているので、問題はないとのことです。(カメラ屋の店員さん談)
スペック表はこちら
名称 | SIGMA 135mm F1.8 DG HSM |
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レンズマウント | ソニーEマウント |
焦点距離(mm) | 135mm |
開放F値 | 1.8 |
手ブレ補正 | × |
瞳AF | 利用可能 |
レンズ構成 | 10群13枚 |
絞り羽根枚数 | 9 枚 |
最短焦点距離 | 0.875 m |
最大撮影倍率 | 1.5 倍 |
最大径x長さ | 91.4×140.9 mm |
重量 | 1,230 g |
フィルター径 | 82 mm |
ざっくりと見るだけでも、重くて大きいのが分かるかと。人生初の1kg超えレンズですが、これが気にならなくなるくらいの解像感があるってのがこのレンズのすごいところ。
SIGMA独自の特殊低分散ガラスであるSLDガラス2枚、FLDガラス2枚を採用し、結果として10群13枚構成となっています。この特殊低分散ガラスによって、色収差はまったくといっていいほど感じません。
5,000万画素以上の超高画素デジタル一眼に対応するために、フォーカスの機構やレンズなどもかなりこだわって作られています。そう聞くとこのレンズの大きさと重さは仕方ないものと納得してきてしまうのが不思議なんですよね。
レンズの質感・シェイプはため息が出るくらい美しい。ツヤのある外観はSONYα7シリーズとも相性が良く、装着時のかっこよさが気持ち良いです。
ひと昔前のSIGMAレンズは金色のラインがあるのがどうも気に食わなかったのですが、デザインを刷新してからは余計なものは削ぎ落とされてミニマルな見た目になりましたね。TAMRONのレンズも同じようにデザインを刷新していて、今後サードパーティ製のレンズも使いやすくなっていくのでしょう。
レンズのサイドにはAF・MFを切り替えるスイッチと、フォーカス速度を早める為のフォーカスリミッタースイッチがあります。撮影時にレンズを支える手でカチカチと変更できるのが楽で良い。
ミラーレスのレンズはこのへんの機構が削られていることも多いぶん、こういう機構のついたレンズは重宝します。
フォーカスリングは絶妙にトルクが効いていて、調整もしやすいです。
SONY α7IIIに装着して、SIGMA 135mm F1.8 DG HSMの性能を使い倒す
ここからは実際に撮影した作例を交えつつ、SIGMA 135mm F1.8 DG HSMの特徴をご紹介していきます。
とろっとろのボケ感
レンズを買って、すぐに撮影してみたLeica M10。ライカマークのところにピントを合わせてシャッターを切りました。
開放F値(F1.8)でもピント部はキレッキレ。被写界深度の浅さゆえ、ピント部以外は少しでも前後に距離があればすぐさまトロみを帯びます。
ほぼ最短焦点距離で撮影しているので、背景はスッと消えてなくなりました。
夜の都会での撮影は玉ボケが綺麗に出ます。
レンズの絞り羽根が9枚なので、玉ボケはほぼ円形。ただし開放(F1.8)で撮影するときは周辺の玉ボケが少しつぶれてレモン型になってしまいました。
僕個人としてはこれもいい味かなと思うのですが、気になる方は1段ほど絞ってF2.5~F2.8で撮影すると円形に近づきます。それでも十分すぎるほどのボケ感が得られるから135mmって焦点距離は嬉しい。
ピント部のキレのある解像感
遠くからでもお構いなしにピント部が解像するのがこのレンズの嬉しいところ。
かなり遠くから撮影しているのですが、被写体の前後にしっかりとボケ感が入り込み、解像部とのコントラストで立体感のある仕上がりになりました。なんの変哲も無いスナップ撮影のつもりだったのですが、主題がはっきりとするのでそこにストーリーがあるように錯覚します。
人だけでなく、植物を撮影するのもOK。
ピント部がしっかりと解像していました。ここまで背景がボケてくれると、さらにピント部が際立ってくれる。撮ってる自分も気持ち良い。
髪の毛一本一本の解像具合も良い感じ。この写真が撮れたときはつい「ありがとう…」と声が漏れました。
逆光で浮き上がる女性の髪って最高ですよね。
上々のオートフォーカス性能
全身を入れてもこのボケ感。多少ごちゃごちゃしていてもボケみを帯びると背景がスッキリ見える。
時には歩いている人を、動いているものを撮りたいという時もあるので、そういう場合はSONYのコンティニュアスAFとあわせるといい感じに撮影ができます。高速連写モードでも問題なくピントがバッチリで、PCで見たときにビビらされました。。
SIGMA 135mm F1.8 DG HSMにはフルタイムマニュアル機構が搭載されているので、オートフォーカス作動中でもフォーカスリングを回すだけでマニュアルでのピント合わせができます。
微調整するときにはこの機構を使うとしっかりとピントあわせができる。その場合、モードはDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)が便利。ピーキング機能が合わさると無敵です。
日中は機敏なオートフォーカスですが、暗部では若干ピントがつかみにくくなります。(それでもひと昔前のレンズと比較すると圧倒的なAF速度ですが)
この写真もピントが間に合わず少しピンボケしてしまったのですが、それでもボケとピント部のコントラストにより、ピンボケは気にならないレベルになりました。これがSIGMA 135mm F1.8 DG HSMのパワー…!!
まだまだ135mm F1.8の作例は沢山あります!スナップやポートレートの作例は次のページへ…!