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ふと落ち込んだ時、ふとイライラしてしまった時、そんな時にぜひ読んで欲しい漫画があります。今回ご紹介する「町田くんの世界」はそんな漫画。
少女漫画なので「またありがちな恋愛を描く学生漫画でしょ?」とか思っていたのですが、これが全然違う。今まででは読んだこともない世界観。そして登場人物。
全て突拍子もない人物ではないのですが、町田くんの世界では「人の優しさ」が感じられます。
主人公「町田くん」とは?
「町田くんの世界」の主人公はもちろん、町田くん。少女漫画でありがちな「レンくん」とか「タクミくん」とかではなく「まちだはじめ」というごくごく一般的な名前。
もちろんこの1巻の表紙が町田くん。見るからに少女漫画の主人公に出てくる成績優秀イケメン万能イケメン男とは違います。
まずそもそもメガネだし、普通の主人公のような、どうやったら毎日この髪型になるんだ・・・?ってくらい外ハネを駆使している髪型でもない。普通のストレート。
おまけにバッグはクタクタのバックパックという体たらく。
・・・想像できないぞ!?これで少女漫画!?と感じている人も少なくないと思います。読んで納得。もう僕は町田くんが大好きです。
すごく優秀とか、なんでも万能な人間ではない
見た目だけではなく、町田くんは勉強ができたり、運動ができたり、かっこいい・・・そんな一般的な特徴は持ち合わせていません。
そもそも冒頭が衝撃的。町田くんは基本的には卵を焼くか茹でるかしかできません。漫画の中では具体的に言及していませんが、あえて言うと、ゆで卵と目玉焼き、スクランブルエッグくらいしか作れないと言うことでしょう。
不器用だと言うことはわかった。でも、この見た目だと頭はいいんでしょ?
いいえ、よくありません。町田くんは小テストでさえ38点。そこで放った言葉は「見かけ倒しでごめん」
町田くんも見かけではもう少しできるはずと思われていることを知っているようです。
最後の砦、運動もグズグズです。50m走12秒台というと・・・早歩きくらいかな・・・?見かけ以上に運動神経もない町田くんです。
え・・・何もできない人の日常を見て楽しむ漫画なの!?と僕も思いましたが、大丈夫、安心してください。
町田くんには大きな特技があるのです。
人を愛することができる。
物静かでメガネ。勉強も運動もあまり得意ではない不器用な男子高校生「町田くん」
彼のとっておきの才能は「人を愛し、人に愛される」こと。町田くんの見ている世界、日常を描いた物語…
表現がありきたりですが、この漫画は「人を愛し、人を愛される」というのがキーワードになっている気がします。恋愛とかの意味だけではなく、ただ「人」を愛することができるという意味です。
自分に置き換えても多分町田くんと同じことはできない。
弟から謝って水をかけられてしまうシーン。町田くんは怒るどころか、言い放った言葉は「いつも植木鉢の水やりしてくれてありがとうな」です。
町田くんはボールが頭にぶつかっても「レギュラーおめでとう!」で返球します。多分僕なら「いてーよ!」とイライラしながら言ってしまうかも。
そう、町田くんはナチュラルに人を愛することができるのです。
町田くんの愛はしっかりと他の人にも伝わって、人から愛されています。本人はナチュラルにやっているので、特別なことはしていないつもりなのでしょうが、これがまた愛される所以なのでしょうね。
物語のヒロイン 猪原さんの存在
町田くんの世界の見どころは、この町田くんのナチュラルボーンな言動の数々でもあるのですが、大きな見どころがもう一つ。
それがこの漫画のヒロイン 猪原さんの存在です。
猪原さんはこの漫画の中では確かに美人な存在。しかし基本的には授業をサボったりしているいわゆる「不良生徒」と言う感じでしょうか。
交わらなさそうな2人はある日、保健室でたまたま出会います。
ある日手を怪我した町田くん。保健室で手当てを手伝ってくれた猪原さんは「人嫌いなの」と出ていってしまいます。
すかさず町田くんのナチュラルボーン炸裂。猪原さんは「何言ってんだこいつ」と去ってしまいます。
しかし、これをきっかけに話すようになります。
ある日猪原さんが屋上でサボっていた時も、町田くんの言う一言は「何サボってんだよ!」ではありません。
「こんな天気に教室にいるのはもったいないね」
こんな素敵な考え方ができる人間がいるのでしょうか!?少なくとも僕はこのような言い方はできないと思います。
町田くんは街中でナンパされている猪原さんを見ても助けます。これももちろんやましい気持ちなどない。
クラスメートを「大切な人」と言い放った町田くんに対しての猪原さんのなんともいえない表情が印象的。
そんなちょっと変わった町田くんのことが少しずつ気になり始める猪原さん。
あんなにツンツンしていた猪原さんも町田くんのナチュラルボーンにしてやられ、ついには「もっとかまってよ」ですって。
それをどういう感情なのかもしっかりとわかってないくらい鈍感な町田くん。
この2人の絶妙な距離感がこの物語で大きな存在となっています。
好きなシーンが絶対ある。
僕の大好きなシーンは少し先の4巻のこのシーン。
学校で超絶イケメンでモテモテの氷室くんにバレンタインのチョコレートが殺到した時。
なんと氷室くんはもらったチョコレートを「柑橘系はきらいだから」とゴミ箱に捨ててしまうのです!それを見た町田くんの言葉がすごい。
・・・なんて素晴らしい言葉なんでしょうね。「もっと自分を大事にしろよ」なんて僕は絶対に言えません。
でも、この言葉には力がある。これが「もっと他人を大事にしろよ」だったら多分氷室くんも怒ったままだったでしょうね。
町田くんの世界にはこのようなシーンがたくさんあります。絶対あなたの好きなシーンもあります。
まとめ:心が少し迷った時、ぜひ読んで欲しい
町田くんの世界は
「おおっ!テンション上がる!次の展開どうなる!?うぉおおお!」
・・・などの感じの漫画ではありません。ほっこりする感じの漫画。自分が少し迷った時、自己嫌悪になっている時に読んでほしい漫画です。
町田くんの世界に心から悪い人はいません。「えっそれって漫画として面白い?」と感じる方もいるかもしれません。そしたら一度読んでみてください。
きっと面白さが分かると思います。