持ち運びって大事。
2017年も多くのカメラが発表されましたが、最近は一眼カメラだけではなく、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)の進化が早い。2018年も多くの魅力的なカメラが発売されるんでしょうね。次々と各種メーカーから特徴的なカメラが出てくる。叩くモグラが毎回装いを変えて出てくるような感じでしょうか。
近年で多くのコンデジが進化した要素のひとつがセンサー。今回はAPS-Cのセンサーを搭載したコンデジをご紹介します。
APS-Cサイズを選ぶ理由
APS-Cというのはセンサーのサイズのこと。カメラ界でフルサイズというと35mmフルサイズ(フィルム時代の名残りらしい)のことをさしますが、そのフルサイズよりも一回り小さいセンサーがAPS-Cセンサーです。基本的には23.4mm×16.7mmのサイズ。
このセンサーが小さくなればなるほどコンパクトなカメラが作れるのですが、カメラの設定や撮影環境が同じだとノイズが大きくなってしまったりします。厳密にいうとセンサーサイズによってメリットデメリットは多種多様なのですが、極端な話をすれば
- センサーが大きい → 厳しい環境でもいい画質で写真は撮りやすいが重い
- センサーが小さい → 厳しい環境では画質は落ちやすいが比較的軽い
みたいな認識で良いかと思います。この辺はISOとかF値とかも大きく関わってきますので、一概には色々言えないのが実情。
この認識で行くと、できるだけ大きいセンサーで軽くてコンパクトなものがあればちょうどよいのでは? とか思います。 今の多くの一眼カメラのスタンダードがAPS-Cサイズのセンサーということも含めて、僕はAPS-Cサイズのセンサーがちょうど良いと感じています。(とはいえメインのカメラはフルサイズですが)
APS-Cサイズコンデジの選び方
ささっと僕の考えるAPS-Cサイズコンデジの選び方に付いて解説したいと思います。
機能で選ぶ
まずは持つ機能に注目したいです。メーカーごとにセンサーの特徴はありますが同じAPS-Cセンサーなら設定を同じにすれば同様のボケ感が得られます。
自撮りをする方はモニターが自分側に向くかどうかやWi-Fiが内臓されているか、動画を撮影する方はモニターがタッチ対応しているかなども注目しておきたいですよね。
画角(焦点距離)で選ぶ
技術的な面からか、APS-Cサイズのコンパクトデジタルカメラはズームできない単焦点のコンパクトデジタルカメラが多いです。もしもズームなどが必要な場合はミラーレス一眼などの方が用途にはあっているかもしれません。まぁ、使ってみると意外とズーム機能を使う機会は少ないと思います。iPhoneでの撮影の時もあまりズームとかしないですよね?
ただ、その分写真の画角(焦点距離)は自分との相性を確認しておくと良いと思います。
例えば、景色が撮りたい方は広角のコンデジを、ボケ感が欲しい方はできるだけ望遠までいけるコンデジを選ぶなどですね。
軽さ・大きさで選ぶ
選ぶポイント3つめは大きさや軽さ。いくら大きくてもよく、重くてもいいなら一眼を購入する方が良いと思います。
しかし、この記事を見てくれている人のほとんどは軽さや大きさを気にしているのではないでしょうか? 軽さや大きさも重要な指標の一つ。しっかりと比較して決めましょう。
単焦点で選ぶAPS-Cセンサーのコンデジ
早速APS-Cセンサーサイズのコンデジを紹介していきます。まずは単焦点。
RICHO GR2
RICHO(リコー)がリリースしている本格派のAPS-Cコンデジ。有効画素数は1,620万画素で、F値は2.8~16と十分なスペックです。画角が28mmということで広くもなく狭くもない。ちょっと初心者が使いこなすには難しい画角なのかなと思っています。
しかしながら、プロのカメラマンの多くの方はサブカメラとしてGRを採用している方が多いということは聞いたことがあります。その軽さもさることながら、写りは確かに上々。RAW現像をしなくても雰囲気のある写真が撮れるのはGRならではではないでしょうか。
スペック表はこちら
名称 | GR II |
---|---|
焦点距離(画角) | 18.3mm(35mm換算で28mm) |
F値 | F2.8~F16 |
有効画素数 | 約1620万画素 |
動画性能(最大) | Full HD(1920×1080、30fps/25fps/24fps) |
画像モニター | 3.0型 透過型液晶、約123万ドット |
外形・寸法 | 約117.0(幅)×62.8(高)×34.7(厚)mm |
Wi-Fi | ◯ |
質量(重さ) | 約251g(電池、SDメモリーカード含む) |
スペック表を見てもその軽さがわかりますね。200g台とは・・・。モニターは可動式ではないですが、Wi-Fiは付いているのですぐにインスタなどでシェアすることも可能。価格も比較的安いので、手に入れやすい一台です。
こんな人におすすめ
- とにかく軽いものが欲しいという方
- できるだけ安く、いいものを手に入れたい方
FUJIFILM X100F
見た目からしてかっこいいと感じてしまう一台。FUJIFILM渾身のコンパクトデジタルカメラです。GR系のコンデジよりも大きく、少し重さもありますが、そのデザインと性能を見たら僕はこっちの方がほしいかも。
画角が35mmで使いやすく、F値も解放でF2まで出せるのでそこそこボケ感のある写真を撮影することができます。
スペック表は下記となります。
名称 | X100F |
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焦点距離(画角) | 23mm(35mm換算で35mm) |
F値 | F2~F16 |
有効画素数 | 約2430万画素 |
動画性能(最大) | Full HD(1920×1080) 59.94p/50p/29.97p/25p/24p / 23.98p |
画像モニター | 3.0型 3:2アスペクト TFTカラー液晶モニター 約104万ドット |
外形・寸法 | 約126.5(幅)×74.8(高)×52.4(厚)mm |
Wi-Fi | ◯ |
質量(重さ) | 約469g(付属バッテリー、メモリーカード含む) |
FUJIFILMの場合は「フィルムシミュレーション」という機能が使えて、FUJIFILM独特の色味を出すところができます。画角もF値もかなり使いやすい。
また、別売りのコンバージョンレンズ(カメラのレンズの上にもう一つ装着できるレンズ)も購入すれば画角を広角にも望遠にも変更できるので、汎用性も高いです。
こんな人におすすめ
- しっかりとしたボケ感も欲しい方
- FUJIのフィルムシミュレーションを使いたい方
- 単焦点だけど他の画角も欲しい方
Sigma dp2 Quattro
サードパーティー製のレンズとして印象の強いSigmaからもデジカメが発売されています。Foveonセンサーという他のカメラにはあまり搭載されていないメーカーのセンサーが搭載されています。このセンサーに魅了される人が続出しているのだとか。
dp1,2,3があるのですが、それぞれ画角が違います。Dp1は28mm、dp2は45mm、dp3は70mmという構成になっています。日常で利用するなら28mmが使いやすいかもしれませんが、つかいやすさやボケ感なども考えると45mmのdp2が一番使いやすいでしょう。
名称 | dp2 Quattro |
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焦点距離(画角) | 30mm(35mm換算で45mm) |
F値 | F2.8~F16 |
有効画素数 | 約2900万画素 |
動画性能(最大) | なし |
画像モニター | 3.0型 TFTカラー液晶モニター 約92万ドット |
外形・寸法 | 約161.4(幅) ×67(高さ) ×81.6(奥行)mm |
Wi-Fi | ◯ |
質量(重さ) | 約410g(電池、カード除く) |
(Foveonセンサーゆえ)Sigmaのdp系のカメラはISOを800以上にするとかなりざらつくことは知られています。暗いところでの撮影には向いていませんが、その分、ISO400以下では圧倒的な描画力を発揮するよう。
独特の解像感、欲しい。
こんな人におすすめ
- 唯一無二の解像感が欲しい方
- しっかりとボケ感が欲しい方
- 動画は撮影しないという方
ズームができるAPS-Cセンサーのコンデジ
ズームのできるAPS-Cセンサーのコンデジって比較的少ないのが実情。ですが、最近になって新しいのも発売され始めています。2018年はこの辺のラインナップがさらに多くなってくるんじゃないかなぁ・・・
Canon PowerShot G1 X Mark III
ズームができるAPS-Cセンサーのコンデジということで2017年の後半に発売されて話題になった一品。400g以下という軽さでズームができるんですから・・・
画角は35mm換算で24~72mmと広角から中望遠までしっかりとカバー。F2.8~5.6なので少し暗めかもしれませんが、日中のスナップには最適そう。
一点いうなら動画性能。バリアングルなので自撮りできるのに4Kは撮影できない。動画も・・・と考えている人は割り切ることも必要ですね。
名称 | PowerShot G1 X Mark III |
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焦点距離(画角) | 15~45mm(35mm換算で24~72mm) |
F値 | F2.8~F16(W) F5.6~F16(T) |
有効画素数 | 約2,420万画素 |
動画性能(最大) | フルハイビジョン:1920×1080(60fps:約35Mbps/30fps:約24Mbps、24fps:約24Mbps) |
画像モニター | 3.0型TFTカラー液晶(約104万ドット)、アスペクト比3:2、視野率:約100%、バリアングルタイプ |
外形・寸法 | 約115.0(幅) ×77.9(高さ) ×51.4(奥行)mm |
Wi-Fi | ◯ |
質量(重さ) | 約375g(電池、カード除く) |
先ほどズームはなかなかしないという話をしましたが、万が一の時のためにズーム機能はある方が便利ではあります。あまり使わないというだけで昨日としてあるのは無駄じゃない。
モニターもバリアングルなので自撮りもしやすい。望遠端ならF5.6でもそこそこしっかりとしたボケ感は得られるのではないかな〜と思います。
こんな人におすすめ
- 動画はフルHDでという方
- スナップメインで自撮りもする方
Leica X Vario Typ 107
憧れのLeica。
画角は35mm判換算で28~70mm。F値は3.5~6.4と、一見先ほどのCanonのモデルよりも劣っているように見えます。しかしながらそこはLeica。レンズとセンサーの質で圧倒的な違いを見せて来ます。
価格も上がってしまいますが、スナップで利用できるLeicaは正直言って喉から手が出るレベル。JPG撮って出しのみで使うくらいで十分なコンデジだと思います。
名称 | Leica X Vario Typ 107 |
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焦点距離(画角) | 35mm換算で28~70mm |
F値 | F3.5~F16(W) F6.4~F16(T) |
有効画素数 | 約1,620万画素 |
動画性能(最大) | フルハイビジョン:1920×1080 30fps |
画像モニター | 3インチ 92万ドット |
外形・寸法 | 約133(幅) ×73(高さ) ×95(奥行)mm |
Wi-Fi | ◯ |
質量(重さ) | 約594g(電池、カード除く) |
Leicaのカメラはグリップ部もつるつるで、重いと少し持ちにくそうな印象。でもその使い勝手の悪さも含めていい味と感じてしまうのはなぜでしょう。
ブランド力に負けない描画力がそこにあると考えると、高い買い物でもないかもしれません。中古だと15万前後で見つかりますしね。
こんな人におすすめ
- Leicaというブランドに惹かれる方
- 他では体験できない写真の雰囲気が欲しい方
軽く、画質の良いカメラを求めて
今年はたくさん旅行に行きたい。一眼を持っていくのはもちろん良いのですが、ついついレンズを交換したくなったりして荷物が重くなる。必然的に旅中のアトラクションよりも撮影に気が行いってしまうのです。
旅も楽しみつつカメラも楽しむ。程よいところで自分を制することができるのがAPS-Cのコンデジの強みなのではないでしょうか。
次の記事はミラーレスの記事
コンデジにこだわらないなら、今はミラーレスや一眼レフの方が安く、いい画質で撮影できたりします。特に初心者の方などはミラーレスの方が勉強にもなるかも。
個人的なおすすめはSonyのミラーレスで、その理由を記事でご紹介しています。ぜひご一読ください!